新入社員の皆さん、長瀬産業およびNAGASEグループ各社への入社、誠におめでとうございます。本日は110名の新しい社員が参加しています。 皆さんを迎えることができ、大変嬉しく思っています。そして近い将来、国内外の様々な場面で一緒に仕事ができることを楽しみにしています。

NAGASEグループを取り巻く外部環境について、最近の報道にもある通り、ホルムズ海峡の封鎖が石油化学業界にとても大きな影響を及ぼしています。しかし、NAGASEグループは、外部環境にスピーディに対応できる素晴らしいアセットを有しています。商社機能、メーカー機能、研究開発機能による三位一体経営。そして、ライトかつ流動性が高いアセットである人こそが、我々にとって最も重要であり、会社にとっての魂であり命です。失敗しても社員のチャレンジを許容する企業文化が脈々と継承されてきたNAGASEにとっては、昨今のような外部環境の変化はリスクではなく大きなチャンスでもあります。長瀬産業は今年で194年目。1832年に山形の紅花染料を取り扱う事業をスタートさせ、2032年には200周年を迎えます。私たちは、強靭性、NAGASEらしい変革する力、それを実行する個の力により、何度もこのような環境変化を乗り越え成長し続けてきました。それが今のNAGASEです。

皆さんは、昨日まではアマチュア、そして今日からはプロです。アマチュアとプロの違いは、お客様、社会、株主そして社員といったステークホルダーの色々な課題に対応する商品や製品やサービス、アイディアを提供し、その価値を認めてもらい対価を頂くのがプロです。NAGASEグループには研究、品質管理、営業、製造、法務、財務、人事など多くの仕事があります。どの仕事も一つとして欠けるとNAGASEグループの経済活動が停止してしまう重要な仕事です。プロとして責任感・使命感そして向上心さらにはオーナーシップを持って、仕事に向き合ってください。

ここで大切なのが 「凡事徹底」と言う考え方です。誰でもできる仕事こそ誰がやったかによって差が出るものです。どんな簡単な仕事でも絶対に手を抜かず、お客様やステークホルダーの気持ちになって考え、工夫する。そして誰も思いつかない領域まで、徹底的に突き詰める。そうすれば誰にでもできる簡単な仕事が、あなたにしかできない仕事になります。凡事徹底していれば必ず大きな仕事、ビジネスを任されるチャンスが巡ってきます。

私たちは今かつてない変化の時代に突入しています。 国家間の対立、エネルギー問題、環境問題といった地政学リスクに加えて、何よりもAIの進歩は目まぐるしいものです。AIの登場により誰もが多くの情報にアクセスできるようになったことで人の必要性や価値が問われる時代になりました。今までの常識は通用しない時代で、日々ニューノーマルが生まれます。常識を疑い、物事を深読みしていってください。世界中で環境変化や技術革新が起こり、柔軟な発想や対応が求められる現代では、我々の決断力・発想力には大きな課題があると感じています。前例踏襲を続けていると、常識に囚われて現実を直視する目を曇らせ誤った判断や機能停止をひきおこします。皆さんには会社の文化を変えていってほしいと思います。

先ほど申し上げた通りNAGASEのアセットは人です。まさにこの時代に求められるアセットです。私たちの眼前に広がる大きな変化は、何十年に一度のチャンスだと考えています。AIも活用しながら、現場で目利きし、社会の課題を見つけて未来のシナリオを書いてチャレンジしてほしいです。

そこで重要になるのがグループ内で同じ価値観を共有することです。それが我々の座標軸となる経営理念です。NAGASEグループには 「社会の構成員たることを自覚し、誠実に正道を歩む活動により、社会が求める製品とサービスを提供し、会社の発展を通じて、社員の福祉の向上と社会への貢献に努める」という、素晴らしい経営理念があります。将来皆さんがチャレンジする中で、正解に悩んだときは、この経営理念に立ち返ってほしいと思います。

私は社長になって4年目を迎えます。これまで社員と会話し、発信してきたいくつかのメッセージを皆さんにもシェアします。

■「人皆師也」
まず1つ目は、「人皆師也」という考え方です。皆さんは若く活力もあるので、他人と比べたり、勝ち負けへのこだわりもあるでしょう。私も若い時はそうでした。ですが、そういう気持ちを持っていたとしても、マウントを取ろうとはしないで欲しい。なぜなら、人に上下はないからです。誰もが世界人口83億分の一のナレッジしか持っていません。つまり自分以外の83億人は、私の知らない国や環境で、知らない世界を見て、育ち、考え苦悩してきた、自分にないナレッジをもった人々です。比較ではなく、その経験や考えをぜひ学んでほしい。これが「人皆師也」です。

■聞く力をつけること
2つ目は、「聞く力」をつけることです。聞くことは本当に難しい。人が話している途中から、「この人に何を言おう」「次に何の話をしよう」と考えてしまい、その時点で聞く機能を停止しています。聞く力がつくと、相手がこんなにも色々なことを知っていて、自分に教えてくれたのだと分かるようになります。その結果、人の話を聞くこと、知らない世界を知ることが面白くなります。皆さんもぜひ誰かと話をする時には、相手をリスペクトし、相手が話し終えるまで黙って聞いてみてください。 それだけで世界が広がります。ぜひ実践しましょう。

■目標をもつこと
3つ目は、常に目標をもつことです。
私は三十代の頃から、毎月10個の目標を書いています。書き終わったら声に出して読む。自分、家族、仕事のことなど何でも良いですが、主語は「私」にする。この目標に向かって生きていることを自分に確信させることを習慣づけることで、方向がブレなくなり、決断のスピードが上がります。常に目標に対し、最短コースで手を打つようになります。私が10年前に書いた目標の7~8割は、達成しています。目標は目指すものではなく、近づけるものだと思っています。私も皆さんも、人生は一回限りです。 目標を持って行動し、夢を実現してほしいと思います。

今日参加している110名は、何十年経っても同期という仲間です。生涯を通してかけがえのない仲間になります。この絆や縁を大切にしてください。

皆さん改めまして入社おめでとうございます。入社してくださりありがとうございます。健康面と私生活は、社会人として自己管理を徹底していただくようお願いします。皆さんは今日からNAGASEの信用と看板を背負っている社会人です。自覚を持って行動するようにお願いいたします。

以上、私からの挨拶とさせていただきます。

2026年4月1日
上島宏之